2024.04.11
学会・研修会活動
2023年7月27日~28日 近畿老人福祉施設研究協議会 神戸大会
デイケアの家おしどり
『事業所の強みは在宅支援の一助』
私たちの発表を行った第8分科会は、「在宅介護におけるデイサービスのあり方」がテーマでした。
「デイケアの家おしどり」からは、当事業所で取り組んでいるオリジナルの「遊びリテーション」について発表しました。
一見、遊んでいるだけのように見えることでも、高い所に手を伸ばしたりかかかとを上げて背伸びをしたりといった動作は、日頃は使うことの少ない筋肉を使い、身体のバランスも取っています。
このような動作を行うことで自然と機能訓練につながることが、「遊びリテーション」の目的であり大きな成果です。
楽しみを訓練につなげることでデイサービスでの午後の活動がさらに充実し、心の満足と在宅生活を続けるための筋力の維持にもなっていきます。
また、この分科会を通して、近畿各地のデイサービスの様々な取り組みを聴くこともできました。
発表する施設それぞれの強みを活かした活動が、ご利用者一人ひとりの在宅生活の継続につながっていると感じました。
在宅生活の中でデイサービスが支援できることは決して多くはないのかもしれませんが、様々なアプローチがあることを学びました。
「デイケアの家おしどり」にも、「遊びリテーション」の他にまだまだできること、たくさんの強みがあるはずです。
ご利用者様の声に耳を傾けて、これからも多角的なアプローチで支援をして行きたいと思います。
ぼだいじホームヘルパーステーション
『仕事効率アップに向けての取り組み ~LINEWORKSを使いこなし連携を高める』
当事業所には、様々な年齢層の職員が勤務しています。
パソコンやスマートフォンの操作などが得意な年代の職員はむしろ少なく、パソコンの操作は苦手、スマートフォンも電話くらいしか使わないといった職員もいました。
法人の全職員に対して「LINEWORKS」というコミュニケーションツールが導入されても、マニュアルを配布するだけでは使えない、あるいは使わない職員がどうしても出てきてしまいます。
そこで、「仕事効率アップに向けての取り組み」を行い、使える人が苦手な人に使い方を伝える、そして使えるようになった人が他の人に伝えるというように、フォローの和を広げていきました。
その結果、一人一人に対してフォローが行き渡り、全員が使えるようになりました。
またこの取り組みは、別の効果ももたらしました。
フォローを通して職員同士が今まで以上に話しやすくなり、間違っているとはなかなか言いにくかった人に対しても連絡を取って伝えられるようになったり、更には使い方のアイデアを出し合って工夫して皆が使いやすいようにもしていけました。
他の事業所もLINEWORKSを使いこなせるようになれば、情報やデータの共有や緊急時の応援協力など、ちょっとした時間をかけるたげで効率化につなげていけるのではと考えています。
今回、演者として発表ができたことは、大変よい経験となりました
残念ながら訪問介護事業所からの発表は私達だけでしたが、他府県の施設の発表を見聞きできたことで、視野を広げる良い機会となりました。
今後、他のヘルパー職員も、こうした経験を積んで成長してもらいたいと思います。
ぼだいじデイサービスセンターいこい
『有償ボランティアの取り組みと認知症ケアの視点からみた考察』
私たちが発表した第4分科会では、8演題中7演題が特別養護老人ホームにおける認知症ケアの発表で、発表テーマは、「ユマニチュード」、「穏やかな日々」、「自分らしい生活を」などでした。
学ぶことも大変多かったのですが、同じ「認知症ケア」でも一日24時間ご利用者の暮らしを担う施設系のサービス事業所と私たち通所系とでは、その役割や目的が違っていることも実感しました。
私たちデイサービスでは、ご本人の生活の場が何処にあるのか、どんな環境なのかを常に考えながら、デイサービスでの活動を提供する必要があります。
「ぼだいじデイサービスセンターいこい」の「有償ボランティア活動」もその一つです。
デイサービスでは、ご利用者から仕事をされていた頃の話をよくお聞きします。
皆さん、その頃のことをよく覚えておられて、いつも活き活きとお話をされます。
耳を傾けると、「役に立ちたい」「できることは続けたい」という思いをお持ちで、それが生きる活力にもつながっているように感じていました。
従来、デイサービスの利用時間内で行うことは、例え地域社会で役立つことであっても無償のボランティアでしたが、その考えを変えることからこの取り組みは始まりました。
仕事に出かけることは難しくても、内職のような仕事ができないものだろうか。
例えば、フォークリフトなどの配線保護に使われている「コルゲート」という部品を必要な長さにカットする仕事、指定の袋にスポンジとラベルを入れて商品にする仕事、そういった作業は職員のちょっとした声がけさえあればできる方も多くおられます。
自分たちの作業が社会の役に立ち無償ではなく報酬という形になる、それはやり甲斐につながり、みなさん集中して取り組んでくださいます。
「有償ボランティア活動」は作業療法にもなっており、もちろんデイサービスに来る楽しみにもつながっています。
しかも、まだまだこの取り組みは発展途上、活動の場の開拓先は広がっています。
これからも「ぼだいじデイサービスセンターいこい」は、認知症専門のデイサービスとして、地域の中の認知症の方の居場所のひとつとして、常に新しい取り組みを行うチャレンジャーでありたいです。